金庫のタイプは2つです
火災対策を中心として使用される「耐火金庫」、盗難などの犯罪対策として使用される「防盗金庫」の2つに分けられます。
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耐火金庫
JISに基づき、大火災時の消火活動が困難を想定し耐火試験の基準を設けて造られています。
※耐火性能本位に造られており、工具等による破壊には耐えられません。【耐火試験方法】
1 . 金庫を炉内に入れ、JISが定める標準温度曲線に従って規定時間加熱していく。
2 . 加熱終了後は、炉内で自然冷却する。【合格基準】
● 一般紙用
・庫内最高温度177℃以内
・庫内の壁全面に貼った
・新聞紙が判読可能なこと。● 磁気メディア
・庫内最高温度52℃以内
・庫内相対温度80%以下
・新聞紙が判読可能なこと。● 耐工具試験
パールや金切りノコなどの簡易な工具による短時間の破壊行為を想定した「耐火金庫」に属するレベル
金庫破りで最も件数の多い「扉こじ開け」による破壊行為に対して、耐火金庫の防盗性能向上を目的として定められた新基準。 -
防盗金庫
日セフ連では、ドリルやハンマーなどの工具による破壊行為や、バーナーによるガス溶断に耐えられるかの基準を設定し、試験を行います。
※防盗性と耐火性を備えた「防盗耐火金庫」もあります。【防盗試験方法】
規定の工具を使い、3種の試験をそれぞれ30分行う。
A . 施錠機構への攻撃。
B . 扉及びカンヌキへの攻撃。
C .侵入口を開ける。
(100mm)【合格基準】
侵入口の開口を防ぎ、全ての試験が実施時間以上経過した場合。
※実施時間には、工具準備・破壊手順の検討・休憩時間は一切含まれません。
金庫及び耐火金庫と防盗金庫の定義
- 1
- 金庫とは、耐火性能と防盗性能を有するものを言う。
- 2
- 防盗性能はあるが、耐火性能が無いものは、金庫とは呼ばない。 (耐火性能が無く防盗性能のみのものは「防盗庫」と呼ぶ)
- 3
- 耐火金庫とは、規定の庫内温度を維持するもの。
- 4
- 防盗金庫とは、規定の防盗基準をクリアーしたもの。
- 5
- 耐火金庫とは、防盗性能よりも耐火性能に重点を置くもの。
- 6
- 防盗金庫とは、耐火性能よりも防盗性能に重点を置くもの。
用途別の金庫の採用例
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耐火金庫
耐火目的で作られたもの。火災対策として高熱や落下への衝撃に耐える性能を有し、耐火性に優れていますが、工具等による攻撃に耐える防盗性はありません。「耐火金庫」には、収納物に応じて「一般用紙」と「磁気メディア用」に分類され、「磁気メディア用」はさらに2つに分類されます。
電磁メディア用→電磁テープ用/フレキシブルディスクカートリッジ用
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防盗金庫
防盗目的で作られたもの。ドリルやハンマー、バーナーによる溶断などのこじ開け、破壊に耐える性能を有し、防盗性に加え、耐火性能を有しています。「防盗金庫」は、バーナーによる溶断に耐える「耐溶断/耐工具」金庫と耐溶断性能を持たない「耐工具」金庫に分けられます。
・耐溶断/耐工具
・耐工具